茨の刻印・38



「姫、空イルカというのをご存知ですか?」
 隣でフォレストが書物を読む手を止めて言った。
「空イルカ? なんだそれは」
 姫は菫色の瞳に好奇の色を浮かべる。
「まあ、言葉の通りです。空を泳ぐイルカです」
「それは珍しいな」
「ええ、希少な生命体ですし滅多に下界には来ませんからね。姫の都合さえ宜しければ明日にでもお連れしますが」
 フォレストは、ぱたんと本を閉じて姫を見た。窓から差し込む初秋の落ち着いた日差しがフォレストの銀色の髪を煌かせる。空を思わせる青い瞳が優しく笑いかけている。
 姫は思った。
 秋の気配を切り取った一枚の絵みたいだな。
 その瞳に思わず吸い込まれそうになりつつも、姫は現実へと意識を戻し頷いた。
「空を泳ぐイルカだなんて面白そうだな。是非見てみたい」
「決まりですね。では明日、日が高くなる前に出発しましょう。きっとお気に召すと思いますよ」
 ふわりと彼は笑った。
 こんな他愛のない事なのに――。
 いや、他愛のない事にさえ胸がいっぱいになる。
 目の前に好きな人がいて、笑ってくれているだけで泣きたくなる。
 哀しいからじゃない。きっと愛(いと)しすぎて涙腺が莫迦になっているのだ。
 この胸の甘い痛みは、切なさと愛しさからきているのだろう。
 フォレストも私と同じように感じているのだろうか?
「…罪な人だ」
 フォレストは姫の華奢な腰に手を回し、そっと抱き寄せる。
 彼の一挙一動に姫の心臓は大きく波打つ。
「そんな潤んだ瞳で見つめられたら、理性の糸が切れてしまう」
 言いながらフォレストは姫に顔を寄せる。
「なっ何!? 邪な目で私を見るな!」
 姫は慌ててフォレストの両目を自らの手で塞いだ。
「何するんですか…」
「そなたが変な気を起こすからだっ」
 先程までの切なさはどこへやら、姫は顔を真っ赤にして叫んだ。
「我が身以上に大切な相手をより深く知りたい、触れたいと思うことは変なのですか?」
「うう…」
 フォレストの言う事は正しい。けれど…。
「私は常にあなたを愛したい衝動に駆られているというのに、あなたはそうではないと?」
 けれど、何故かとても妖しい雰囲気が漂っている気がするのは何故だ…。
「いやその、あの…フォレストの気持ちは解るけど…」
 なんでそんな恥かしい台詞を次から次へと、そなたは吐いていくのか。
 聞かされる私の身にもなれ!
 そんな恥かしさに耐えている姫の手をフォレストはそっと握り返し、ゆっくりと自分の目元から引き離しながらこう言った。
「では大人しく私にやさしく蹂躙されてください」
 満面の笑みであった。
 対照的に姫はその菫色の双眸を大きく見開いた。
「どさくさに紛れて何を言うかー!!」
 思わず姫は『星読』でフォレストに軽く一撃見舞ってしまう。
 あっさりと姫の攻撃を受けたフォレストは、鳩尾を押さえてその場にうずくまった。
 それを確認すると姫は『星読』をしまった。
「酷いです、姫。そんなに私とえっちするのが嫌なんですか」
 フォレストはしょんぼりしながらそう言った。
「なっ…!?」
 フォレストの一言に姫は恥かしさを通りこして一瞬気が遠くなりかけた。
 今度は何を言い出すんだ、この男は!
「莫迦者!! 不埒物! もう何も言うな! 考えるな! この変態!」
 莫迦莫迦莫迦、と姫は罵詈雑言に近い言葉を叫びながらフォレストの背中をぽかぽかと叩く。
 恥かしすぎて思考回路がぐちゃぐちゃで、自分が今何をしているのか解らなくなってしまうくらいには姫は混乱していた。
 頬は燃えるように熱く、胸の鼓動は煩いくらいに全身を振動させる。
 フォレストの言葉は決して不快なわけではない。寧ろそう言われて嬉しいと感じてしまった自分がとても淫らな気がして、だから……。
 これは、ちょっとした八つ当たりなのだ…。
 多分フォレストも解ってて成り行きに身を任せてくれているんだろうな。
 フォレストがこれ位避けられぬはずがない。恐らく剣の腕も私より上だろう。何となく勘で解る。
 …などと考えていると徐々に姫の思考がいつものそれに戻ってきた。
 彼女はフォレストを叩いていた手を止める。
「すまぬ……やりすぎた」
「おや、もう終わりですか。せっかく痛みが快感に変わりつつあったのに」
「何っ!?」
 姫は思わず後退る。
「本気にとらないでください。私はただの普通の男ですよ…」
 苦笑しながらフォレストが言った。
 そこで姫はふと気付く。
「それにしても、良く父様から仕事以外の外出許可が下りたな」
「そんなの上手く丸め込んだに決まってるじゃないですか。傷心の姫君を元気付けてあげたいとお願いしたら快諾してくれましたよ」
 いつも通りにっこりと微笑むフォレストの狡猾さを、この瞬間、姫は垣間見た気がした。
 心の中で王に謝罪するくらいには。
 確かにひと月ほど前に謀反騒ぎがあって、心に多少なりとも傷を負ったのは事実だ。
 皆の温かさに大分その傷も癒えてきてはいたのだけれど。
「何せここは色々と邪魔が多いですからね〜。おおっぴらにいちゃつく事も出来ない。たまには二人っきりでデートしたいじゃないですか」
 『蒼の賢者』とまで呼ばれる男の頭の中にはこんな考えしか無いのだろうか。
 そう思うと姫は少し呆れたようにため息を吐いた。
 まあ、実際これでかなり有能だから人間とは解らぬものだ。
「作者の意図なのか、いつも良い所で邪魔が入りますからねぇ」
「え? 作者って何の話だ?」
「いえいえ、姫はお気になさらず」
 フォレストは笑顔でそれ以上の追求を拒絶した。
 ずるい、と思う。いつも自分ばかり何でも解っていてフォレストは狡い。
 いつも自分ひとりで何もかも解っていて、私はフォレストの掌で軽く弄ばれている気がする。
「私は今のままでも十分幸せだぞ」
 姫のその一言にフォレストは思わず固まった。
 今のままで…ですって!? 冗談じゃない。
 私はもっと姫とあんなことやそんなこと(筆舌に尽くしがたい)をしたいと思っているのに!!
「姫…もっと欲を持ちましょうね?」
 引きつった笑みを浮かべフォレストはそう告げた。
「うん?」
 曇りの無い瞳でフォレストを見やる姫。
 ああ、その純真無垢さが憎い、とフォレストは心の中で毒づく。
 だがそこが姫の良いところでもあり、うーん、とフォレストは唸った。
「どうかしたか? フォレスト」
 不思議そうに自分を見つめる姫にフォレストは曖昧な笑みで答えたのだった。
 まあ良い。明日はデートだし沢山イチャイチャします!

 翌日。
 フォレストによると空イルカは空中を泳ぎ、高度の高いところに居るという。
 姫は眼前に広がる青空をぼんやりと見やりながら空イルカの事を考えていた。
「姫、寒くないですか?」
 フォレストは自分の前に座っている姫に尋ねた。 
 彼の騎獣のグリフォンに乗って空イルカの生息地を目指しているのだった。高度が高くなるにつれ気温が下がってくる為、その事を懸念した発言だった。
 ヴァル・アルザースの件で体験した時改めて痛感したフォレストだが、姫はかなり寒さに弱い。
「うむ。平気だ」
 頬を撫でる風はほんの少し冷気を孕んではいたが寒いという程でもなかった。
「寒くなったら痩せ我慢しないで迅速に私にしがみ付いてくださいね」
 迅速に、のところを強調してフォレストは言った。
「…気が向いたら、な」
 姫はそんなフォレストから只ならぬ気配を感じ取ったのか、引きつった笑みを浮べながら言った。
 すると即座にこんな返事が返ってきた。
「気が向かなくてもしてください」
 言いながらフォレストは姫の豊かな紫銀の髪に顔を埋める。
 そんなフォレストの行為に鼓動を高鳴らせ、気恥ずかしくて姫は俯いた。
「まだ、慣れませんか?」
「何がだ?」
「私に触れられる事が。…責めている訳ではなく、あまりにもあなたがいたたまれない様子なので」
 フォレストの言葉に姫は一段と自分の鼓動が速度を増すのを感じた。
「……別に嫌なわけじゃない」
 精一杯勇気を振り絞ってやっとそれだけ言えた。
 そんなの恥かしいからに決まっている。
 両思いだったのは確かに嬉しいが、今まで隠していた気持ちを知られたのだと思うと今更ながらに恥かしさに昏倒しそうになるというのに。
 フォレストは慣れているだろうが、私はこういうのはどちらかというと不得手だ。
 側に居るだけでドキドキしているのに。
「なら良かったです」
 耳朶に吐息がかかるほどの距離でそう言われて姫は甘い疼きが体を伝い、ぎゅっと両目を閉じた。
 火照った肌に軽く冷気の含まれる風が心地良いと感じた。
 姫が再びうっすらと瞳を開けると、眼前を雪のようなものが煌きながらと横切っていくのが見えた。
「ダイヤモンドダスト…?」
 その白くきらきらと輝く小さな球体は、ちらほらと上空から降ってくる。
 そっと手を伸ばし受け止めると、それは染み入るように体内に溶け込んできた。
 この独特な波動は……。
「これって…魔力の欠片!?」 
「おや、解りましたか。正解です」
 笑顔でそう答えながら、上空を指差しながらフォレストは続ける。
「もう少し上の方に島が見えますでしょう? あそこが目的地です」
 なるほど、フォレストの言うとおり確かに島らしき物が見える。
「……こういうのは物語の中だけの話だと思っていたが、本当にあったりするのだな」
 空中に当然のように存在している、小さな島。
 人が歩いて二、三時間で一周できる位の大きさの島だ。
 宙に浮く小島に近づくにつれ、何かが行ったり来たりしているのが解る。
 あれは……。
「イルカ…」
 しかも只のイルカではない。
 形状は普通のイルカと同じだが、生物学的には何者にも属さないという感じだ。その体は淡く輝きほんのりと透き通っていて、陽の光を受けてその当り具合で様々な色合いを宿している。
 淡い空色のもの、ほんのり桜色、新緑を思わせる鮮やかな緑色――これを眼福と言わずなんと言おうか。
 この世の光景とは思えない不思議な美しさに姫は暫し見蕩れていた。
「なんて綺麗……」
 ごく自然に感嘆の息が漏れる。
 青い空と白い雲の間を優雅に泳ぐ姿は一種の感動を呼び起こす。
 感激する姫の横顔をフォレストは幸せそうに見守っている。
 そうして、小島に到着すると姫とフォレストは騎獣のグリフォンから降りた。
「こんな素敵なところがあったなんて…」
 姫の瞳は好奇心できらきらと輝いている。
「連れて来てくれてありがとう、フォレスト」
 姫は弾けるような明るい笑顔をフォレストに向けた。
「姫、ですから言葉で言うよりちゅー…」
「わー! わー!」
 フォレストの一言に顔面を真っ赤にして姫は彼の口を自らの両手で塞いだ。
 こんな素敵な場所にやってきてまで、この口はそんな事を言うのか!
 フォレストは何処まで行ってもフォレストなのだと姫は改めて実感したのだった。
 その時、とん、と何かが肩をつついたような気がした。
 なんだろうと思い振り返ると、そこには空イルカが浮いていた。
 淡い桜色に光っている空イルカだ。
「キュイキュイ?」
 甲高い、しかし耳障りではない澄んだ声で空イルカは鳴いた。
「あなたが大声を上げたので様子を見に来たみたいですね」
 姫が振り向いた瞬間に自由になった口でフォレストはそう告げた。
 間近で見る空イルカはとても澄んだ艶やかな瞳で姫の事を見つめている。
「キキュー?」
 なにしてるの? という風に空イルカが小首を傾げるような動作をした。
 姫はとりあえず、空イルカのヒレを手に取り握手してみた。
 特に嫌がる素振りも見せないので優しく頭を撫でてみる。
 空イルカは気持ち良さそうに瞳を閉じて身を任せているようだった。
「か、かわいい……」
 こういうものに目が無い姫は、次の瞬間迷う事無く空イルカを抱きしめていた。
 その感触はとても柔らかくふにふにとしてとても触り心地が良いものだった。しかも抱いていると何だか力がみなぎってくるような感覚を覚えた。
「おやまあ、早速共鳴してますよ。姫」
 くすくすと笑いながらフォレストはそう告げた。
「え? あ…」
 知らず我が身から陽炎のように立ち昇る魔力に今更ながら気付いた姫であった。
 紅水晶色の淡く美しいオーラ。
 きっとこれは姫自身の魂の本質を表しているのだろうとフォレストは思った。
「ううむ。しかし何かに共鳴するたびにこれでは不憫だな…」
 行く先々でこれでは周囲から余計な注目を浴びるはめになる。そういうのはまるで見世物のようで嫌だ。
「確かに。以前アレイラルの家でお会いしたリンさんが『魔力垂らし流しすぎ』と言うのも頷けますね」
「私とて好きでやっているわけではない」
「類は友を呼ぶといいますからね。そのうち魔王とか出てくるかもしれませんよ?」
 フォレストはニヤリと人の悪い笑みを浮べながら言った。
「空恐ろしいことを言うな、フォレスト」
 魔王、という言葉に姫は少々怖気づいたようだ。
「失礼致しました。では怖がらせたお詫びにちゅーを…」
 言いながらフォレストが顔を近づけてきた。
「ばっ、莫迦者!」
 堪らないと姫は抱きしめていた空イルカを盾代わりにしてフォレストから身を守る。
「そんなあからさまに避けるなんて酷い…」
「酷いも何も、そなたが隙あらばちゅーしようとしてくるからっ…」
 と、自分の口から『ちゅー』という言葉が発せられたのが恥かしくて、姫は自分の口元を両手で覆った。
 この私が『ちゅー』などという単語を発するなんて。キスならまだしも、ちゅーだなんて。
「うぅ……」
 何故私がこんな目に遭わねばならぬのだ!?
 何故かとても悔しくて、恥かしくて泣きたくなってきた。
 違う…こんなのは私じゃない。以前の私はもっと冷静だったはずだ。
 それが今はどうだ。ほんの些細な事でもフォレストが側にいるとドキドキして、一人で大騒ぎしている。
 それに以前より涙もろくなった気もする。……なんて情けない。
 困っていると、フォレストにぎゅむ! っと抱きしめられた。
「も〜姫ってば…本当に可愛い〜!」
 少し涙目になっている姫を本当に可愛らしいとフォレストは思った。
 辺りをさっと見回して椅子代わりになりそうな木を見つけると、フォレストは姫をそこへ誘導した。そしてそっと座らせる。次いで自らもその隣に腰を下ろした。
「初心な姫をあまりからかって嫌われるのも嫌ですし、少し空イルカのことについてお話しましょう」
 そう言ってフォレストは姫に安心感を抱かせるような笑みを浮べて見せた。それはフォレストが『蒼の賢者』としてよく見せる表情だった。
「空イルカとは何だと思いますか? 姫」
「空を泳ぐイルカだろう?」
「他に何か感じませんでしたか?」
「感じたと言えば…この子を抱き上げた時、力がみなぎってきたような……?」
 淡い桜色に光っている空イルカを姫はまじまじと見つめる。
「それだけでなく、この辺りを浮遊している魔力の欠片…マナの存在をどう思いますか?」
 ダイヤモンドダストのようにきらきらと舞うそれを眺めながらフォレストは言った。
「空イルカとマナは波動が似ているな」
「ええ。空イルカは魔力の結晶体と言っても良い」
「なるほど、だから共鳴したのか…」
 姫の言葉にフォレストは頷いた。
「この辺りは特にマナが多いらしいです。空イルカは大気中に存在するマナが長い年月をかけて集結し生命体として具現化したものだと言われています。解りやすく言えば、洞窟などに出来る水晶みたいなものですかねぇ。千年単位の時間がかかっていると言われています」
 二人の眼前を、数頭の空イルカが辺りを優雅に泳いでいる。
 彼らは昨日今日生まれた存在ではなく、気が遠くなるほどの長い年月を経てこの世に具現化した存在だったのだ。
「この世で最も美しく純粋な生命体…そして魔力の結晶――」
 フォレストは少し切なそうな、遥か彼方を見つめるように空イルカ達に視線を向ける。
「現在では空イルカは数頭しか居ませんが、昔は群れ単位で存在していたらしいのです」
「そうなのか。何故、こんなに数が減ったんだ?」
「史書によれば、心無き一部の人間達に乱獲されたのだとか――これは表には出ていない裏の歴史ですがね」
 この小島は全体が森のようになっており、空イルカ達は森の中と外を自由に行き来している。
 純粋で汚れを知らぬこの生き物はこれから先もずっと同じようにこの場所にいるのだろう。
「とても貴重な生き物なのだな、空イルカは。生まれるのに膨大な時間がかかって、その純粋な魔力ゆえに乱獲の対象にもなる、か……」
 姫は目の前の空イルカに慈しみの瞳を向ける。
 純度の高い魔力はきっと色んな使い道があるのだろう。魔晶石でさえ浄化師に清められれば魔具の材料になるのだから。
 そしてその貴重さゆえに高額で取引される事は必至。欲と力に心を奪われた人間が乱獲するのも無理からぬことだった。
「ですから、先程裏の歴史と申し上げたように、昔の学者が空イルカの史実を隠蔽したのですよ。空イルカを乱獲から守る為に」
「そうだったのか…こんなに愛らしいものを狩るなんて良く出来るな」
「まあ、現在ではこの事を知る者はごく一部の者だけですので大丈夫でしょう」
 フォレストは微笑んで見せた。
「こんな貴重な事を私に教えて良かったのか?」
「…あなただからお話しても、空イルカをお見せしても良いと思いましたので。この事は二人だけの秘密ですよ、姫」
 と、フォレストは口の前に人差し指を立てて口止めのポーズをとる。
「うむ。誰にも言わない」
 あなただから、と言われて姫は内心嬉しかった。
 フォレストは私の事を信用してくれているんだな。素直に嬉しい。
「少しは落ち着いたようですね、姫」
「ん? ああ」
 次の瞬間フォレストはにっこり微笑んでこう言った。
「では今から心置きなくイチャイチャしましょうね〜♪」
「なーっ!?」
 今までしんみりと思いに浸っていた姫はびっくりである。
 驚いている隙にいともあっさりとフォレストに抱きしめられていた。
「フォレストふざけるのもいい加減に…」
「ふざけてなどいませんよ。寧ろこっちがメインですし! やーっと二人っきりになれたんですよ? 今思いっきりいちゃつかないでいつするんです? 城に戻ればまた人目を気にしながらになりますからねぇ。それはそれでスリルが味わえて良いのですが…」
 フォレストがこう言っている間にも姫はじたばたともがいていたがフォレストの腕はびくともしなかった。
 やっと本題に入れたと嬉しそうな様子のフォレスト。それに対し姫は今からおこりうる出来事を想像して、恥かしすぎてこの場から一気に逃げ出したくなったのだった。



TO BE CONTINUED...
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