..........05/11/10up...

「私の話を聞いても、面白くは無いと思いますよ?」
 少しとぼけた表情で、フォレストは言葉を紡いだ。
 それに対して、ティナローザは至極真面目な顔で
「それでも構わぬ。私はフォレストがどんな生き方をしてきたのか興味があるのだ。話したくないというのなら、仕方ないが…」
 と返してきた。
「私の過去に興味があるなんて…。姫、とうとう私に惚れてくれたのですね?」
 フォレストは、少しオーバーな動作でそう言うと、一人納得したようにうんうん、と首を縦に振る。
「なっ…やっ…そんなわけないだろう、バカ!」
 顔を真っ赤にして、狼狽する。
「そんなに照れなくてもいいですよ♪ 喜んで話させていただきますよー♪」
 これ以上ないくらいの笑顔で話を進めるフォレスト。対照的に、これ以上ないくらい憮然とした表情でそっぽを向いているティナローザ。
「あれは、まだ私が姫と同じ年だった時の話です」
 唐突に、そして至極真面目な顔で、フォレストは語り始めた。その言葉の中に真剣さを見て取ったティナローザは、居住まいを正してフォレストの話を聞く体勢をとった。
 フォレストの話は、人間の正の部分と負の部分を端的に表したかのような、そんな話だった……。

「それで、私に何のようなのです?」
 自分の目の前で困った表情をして座っている男に、フォレストは問いかけた。
「実は、どうやら僕…命を狙われているみたいなんです」
 これでもかというくらい真面目な表情で、その男はそう切り出した。
「あ、僕はクロードと言います。これでも画家でして、今度この国の国王夫妻の肖像画を描かせてもらえるかもしれないんです」
「それはすごいじゃないですか」
 フォレストは素直にそう言った。王族の肖像画を描くということは、それは画家としての腕を認められたということで、他の国からも声がかかる可能性があるかもしれないということだ。
「あ、いえ。まだ『かもしれない』ってだけなんです」
 クロードは、慌ててそう言った。フォレストは、黙って話の先を促す。
「実は、この町には他にもう一人、すごい画家さんがいまして、その人と僕と、どちらに肖像画を描かせるかを決めることになりましてね。大臣さんが言うには、絵を見て決めるから一ヵ月後までに絵を一枚描き上げろ、と、そういうことになってしまいまして…」
 それは普通のことではないか、とフォレストが聞くと、クロードは慌てて言葉を続けた。
「いえ、それはいいんです。ただ、その話が決まって数日後くらいから、何故かゴロツキに絡まれたり、家の周りで騒ぎが起こって得に集中できなくなったりということが続いてまして。昨日ついにこんな手紙が投げ込まれたんです」
 そう言うと、クロードは懐から手紙を取り出すとフォレストに手渡した。
 フォレストは失礼、と一言断ってから中身を確認する。そこには、肖像画の件から手を引かないと命はないと思え、という三流もはなはだしい脅し文句が書かれていた。
「なるほど。それで、私に護衛をして欲しいと、そういうことなのかな?」
 手紙をクロードに返しながら、フォレストはそう口にした。
「あ、はい。肖像画の描き手が決まるまで護衛をして欲しいんです。あ、それか犯人を突き止めてもらって、殺されたりするようなことがなくなると言うことでもいいんですが…」
「犯人は、もう一人の画家なんじゃないんですか? あなたがいなくなるか、あるいは辞退すれば、難なく肖像画の描き手は自分になるわけですから」
 フォレストは、誰でもが考える推測を口にした。と、クロードは驚いて声を荒げて反論してきた。
「とんでもない! オーギュストさんはいい人ですよ。僕の絵の先生で、勝負するって決まった時も、お互い精一杯力を尽くしましょうって言ってくれたんですから!」
 オーギュストという名の、もう一人の画家をこれっぽっちも疑っていないような言い方だった。
 お人好し過ぎるんじゃないか、とフォレストは思ったが、好感の持てる男だとも思った。
「いいでしょう。その依頼、受けますよ」
 にこりと笑って、フォレストはクロードにそう告げた。

 クロードの身辺警護を請け負ってから数日、確かに不可解極まりない騒ぎが彼の周りで起きていた。
 ゴロツキがクロードの家の近くでケンカをして大騒ぎする事に始まり、小火騒ぎ、馬車の騒音、果ては酔っ払いの大騒ぎまで、ありとあらゆる騒ぎが起きた。その度に、フォレストは仲裁に行き、火を消しに行き、馬車に消音の魔法をかけ、酔っ払いを強制的に眠らせて他へ移動させたりしていた。
 その数日、フォレストはさりげなく相手のオーギュストについて聞いてみた。
 クロードによると、オーギュストは彼の絵の師匠で、絵の描き方から手法まで教えてくれたみたいだった。彼は、その師匠と絵画で競える事を喜んでいた。先生に自分の腕を見せられるチャンスだと、そう言っていた。クロードはどうも、オーギュストを美化しすぎているようだった。人間は、クロードのように前向きに考えられる人ばかりではないことをフォレストは知っていたからだ。
 それから数日、やはりクロードの集中を邪魔するような事件ばかりが起こった。当然フォレストはその事件を収めてはいたが、それもいい加減飽きてきていた。後半月もこんな事を繰り返していても拉致があかなそうだったからだ。
「フォレストさん、明日買い物に出ようと思うのですが、構わないですかね?」
 ある日の朝、クロードはフォレストにそう切り出した。画材が足りなくなったらしかった。
「…構いませんよ。もちろん、私も同行しますけど」
 わずかに何かを思案するような表情の後、フォレストはそう返した。その顔には、微妙ではあったが、子供がいたずらを思いついたときのような、そんな笑みが含まれていた。
 翌日、二人は連れ立ってクロードの家を出た。
 大通りを通り、クロードがいつも画材を買っているという店について彼は画材を見て回っている。その間、フォレストは店の外で待っていた。
 クロードが画材を買い終わって外に出たとき、フォレストの姿はそこにはなかった。トイレか何かだと思ったクロードはしばらく待っていたが、いくら待ってもフォレストは帰ってこない。
 辺りが赤く染まる頃、クロードは諦めて先に家路に着くことにした。家までの短い道のりだから、一人でも大丈夫だろうという考えからだった。しかし、その考えが仇になった。
 家に向かう小道に入ってしばらくすると、クロードの行く手を数人の男が遮った。
 危ない。そう感じたクロードが引き返そうとすると、後ろにも何人かが立ちふさがった。
 進むも戻るもままならない状態のクロードに、男達の一人が声をかけた。
「死にたくなければ手を引けと、そう伝えたはずだが…?」
 男の声の中の不穏な気配に、クロードは一歩後退さる。
「手を引け。これが最終警告だ。まだ死にたくはないだろう?」
 クロードの後退に合わせて男は一歩進み出ながら、そう続けた。
「い…いやだ」
 搾り出すように、クロードは言葉を発した。
 聞き間違いかと思ったのか、男は何? と小さく聞き返す。
「嫌だ、と言ったんです」
 もう一度、クロードは声を絞り出した。
「よほど死にたいらしいな…」
「死にたいわけがないでしょう。ですが、僕は画家です。依頼があれば、例えどんな状況でも作品を描きあげる。それが僕の誇りであり、曲げたくはない意思です。だから、あなたにどう脅されようとも、手を引くつもりはありません」
 声は震えていたが、毅然としてクロードはそう答えた。
「そうか。ならばその意思…いつまで曲げずにいられるか試してやるよ!」
 そう叫んで、男は手で合図を送る。その合図で、他の男達がクロードに襲い掛かってきた。
 最初の何回かは拳をよけたクロードだったが、一度当てられるとそこからは殴られ続けた。しかし、ただ殴られるばかりで反抗しようとする姿勢さえ見えない。
「どうしてやり返そうとしない? ケンカできないのか?」
 後ろでじっと立って見ている男がクロードにそう問いかけてきた。途端、男達の手が止まった。
 フラフラと壁にもたれかかったクロードは、口から出る血を拭って荒く息をしながら答えた。
「僕の手は誰かを傷つける為にあるんじゃない。何かを作り出すためにあるんだ。例えどんな理由があっても、僕は誰かを殴るなんて出来ないよ…」
 きっぱりと、そして力のこもった瞳を男に向けながら、そう言い放った。
「は…ははははははっ! だったら!」
 そう言って男はクロードに歩み寄り、彼を地面に引き倒した。
「その大事な大事な作り出す腕が使えなくなったら、お前はどうなるのかなぁ…?」
 その言葉に続いて、クロードは男達に地面に押さえつけられ、腕を引き伸ばされた。
「もう一度だけ言うぞ。この腕を折られたくなかったら、肖像画の件から手を引け」
 腕を組んだまま、男は地面に押し付けられたクロードを見下ろして言い放つ。
「…嫌だ! 僕は画家! どんな妨害をされたって、絵を描くのをやめるつもりなんてないっ!」
 強く叫んだ。それは、クロードが生きてきた中で一番強い言葉だった。
 男は無言で、右足を地上から離す。そして、クロードの腕に狙いを定めて大きく後方へと振り上げた。
「よく言った!」
 もうダメか。そうクロードが思った瞬間、どこからか声が聞こえてきた。男達も声の主を探して視線をあちらこちらへと動かしている。
「あそこだ!」
 叫んだ男の視線は、近くの建物の上で止まっていた。
 そこには、夕闇迫る赤い光を背にしたひとつのシルエットがあった。
「誰だ、お前?」
 男の一人がそう声を出す。その問いに答える事無く、そのシルエットは建物の上から飛び降りた。
「大気の中に存在せし氷の精霊よ…」
 飛び降りながら、そのシルエットの人物はいくつかの言葉を紡ぎ始める。
「汝らが力を以て彼の者らに凍れる束縛を与えよ…」
 シルエットは大地に着地する。そこへ、男達の数人が殺到する。
「我が名はフォレスト、汝らが友なり!」
 力ある言葉の解放。途端、シルエット…即ちフォレストに向かっていた男達の動きが止まる。
 何が起こったのか理解できずにざわめく男達。中の一人が自分達に起こった事態を理解した。
「なんだ…? 俺の脚が…!」
 彼らの足は凍りつき、地面にしっかりと繋がれていた。
「大気に在りし風の精霊よ、汝が友フォレストの言葉に従い彼の者らに静寂なる眠りを与えよ…エアスリープ」
 続けざまの力の解放。男達は一斉に眠りに落ちていった。
「お前…只者じゃないな」
 クロードの腕を蹴り折ろうとしていた男が、フォレストに向き直って腰の剣を抜き放った。
 その言葉を無視し、フォレストは次の詠唱に入る。
「大いなる光の精霊よ、汝が友フォレストの言葉に従い幾筋かの光矢を分けよ…レイアロー」
 振り上げた手の先に、何本かの光の矢が浮かぶ。その矢はフォレストが腕を振ると同時に速い速度で剣を構えた男に向かって飛ぶ。
 男はその矢を軽いステップを踏んでやり過ごした。
「そんな見え見えの矢に、誰が当たるかよ!」
 得意げに叫ぶ男に、フォレストは呆れたように言葉を返した。
「誰があなたに向けて放ったといいました? 私の狙いはもとよりあなたじゃないですよ」
 言葉通り、フォレストの放った光の矢はクロードを押さえつけていた二人の男に突き刺さり、その体を大地に横たえさせた。
「あぁ、心配ないですよ。ちょっとショックで気を失うだけです。死んではいません」
 にこやかにフォレストは言い放つ。
「てめぇ、最初から向こうを狙って…?」
「だから、そう言ったじゃないですか。顔だけじゃなく、頭も悪いんですか?」
 やれやれといった表情で、フォレストは言う。
「あぁクロードさん、先に家に戻っていてください。あちらさんが雇ったゴロツキはここにいるので全員ですから、安心していいですよ」
 自信たっぷりに、フォレストはそう言った。
「お前…こいつの元を離れたのは調査のためか!?」
「ん、まぁ半分正解ですよ」
 本当は、調査と同時にクロードを囮にして引っ張り出すためだったのだが、それは言わないでおいた。
 クロードは少し逡巡したが、自分がいてもフォレストの邪魔になるだけだと理解し、急いで家へと戻ることにした。
「さて…」
 クロードが離れるのを見届けたフォレストは、男に向き直る。
「後はあなただけですが…どうします?」
「どうするもこうするもねぇ! てめぇを殺ってあいつを追う!」
 聞いたフォレストは、呆れ顔で大きくかぶりを振った。
「よっぽど自信があるみたいだが、姿を見せたのは間違いだったな。魔術師が戦士の戦闘距離に入り込んでくるなんて三流のするこったぜ!」
 叫んで、男はダン! と大地を蹴る。一気にフォレストの懐に入り込んだ。
 詠唱の暇すら与えぬ必殺の一撃。魔術師にどうにかできる一撃ではなかった。はずだった。
 ギキィン!
 鈍く響き渡る金属音。男の放った必殺の一撃は、いとも簡単にフォレストに受け流されていた。
「はて、私が魔術だけしかできないと、誰か言いましたか?」
 いつもと変わらないにこやかな笑顔で、フォレストは言う。
「自分で言うのもなんですが、私は剣術でもそこらの自称一流戦士に負けるつもりはないですよ」
 流麗な動作で男の剣を受け流しながら、フォレストは続けた。
「大気に在りし風の精霊よ、汝が友フォレストの言葉に従い彼の者に清冽なる裂傷を…ウインドブレイド」
 フォレストの力の解放と共に、男の体にいくつもの切り傷が生まれた。真空の刃による切り傷だった。
「聞いてないぞ、こんな男がいるなんて…。あの野郎…くそ! くそっ!」
 いらだったように繰り返しながら、男は傷付いた体を引きずって逃げていく。
「予定通り…だな」
 男の後姿を目で追いながら、フォレストは呟く。そして小さく詠唱を始める。

「どういうことだ、てめぇ…」
 傷だらけの男は、優雅にイスに座っていた男にそう声をかけた。
「まさか、失敗したのか!?」
 男の傷を見て、イスの男はそう狼狽して叫んだ。
「聞いているのはこっちだ! 聞いてねぇぞ、オーギュスト! あんな奴が向こうについてるなんて話は!」
 声を荒げる男。その語気の強さにイスの男、オーギュストは気圧された。
「案内してくれて、どうもありがとう」
 そんな言葉と同時に、傷を負っていた男の体が床に倒れ付した。
「初めまして、オーギュストさん」
 柔らかい口調で、フォレストがその姿を見せた。
 目に見えて慌てるオーギュスト。だが、その口から出た言葉はとんでもないものだった。
「知らない。私はこんな男は知らない! こいつが勝手にやったんだ! 私は何もしていない!」
「語るに落ちる、とはこのような事を言うんでしょうね。私はまだ、何も言っていませんよ」
 フォレストの言葉に、オーギュストは更に慌てる。
「そうだ、いくら欲しい? いくら払えばあいつを殺してくれる!? いくらでも払うぞ。いくらでも!」
 聞いたフォレストは、大きくため息をついて目を伏せる。そして
「いいかげんにしろ。貴様にはプライドはないのか? いくつか貴様の絵を見たが、クロードに劣っているとは思えない。むしろ、貴様の方が腕はいいだろう。なのに何故、貴様はクロードを襲わせた? 堂々と勝負すれば、十中八九貴様が勝っていたはずだ。なのに、何故…」
「お前なんかに…」
 小さく呟いてから、オーギュストは続ける。
「出会った頃は、私はあいつに絵を教える立場だった。あいつは素直に私の教えを聞いていた。そして、みるみるうちにあいつの絵の腕は上達していった! 信じられないスピードでだ!」
 声を荒げてそう叫んで、再び声を小さく続ける。
「わかるか? 師匠が、弟子に負けるわけにはいかないんだよ…。どんな事をしても勝たなければならないんだ…。そう、どんな事をしても…」
 それだけ言ってうなだれる。
「あいつはな…」
 今度はフォレストが言葉を紡ぐ。
「クロードは、貴様を少しも疑っていなかった。貴様と、絵画という舞台で戦える事を喜んでいた。それを貴様は踏みにじったんだ。自分の保身と出世のためだけに、裏切ったんだよ」
 そこでフォレストは言葉を止めた。オーギュストは何も言わず、ただうなだれているだけだった。
「私は貴様の言う事を聞くつもりは無い。期日までクロードの警護を続けるつもりだ。貴様が何をしても、私がいる限り無駄だ。わかったら、正々堂々と絵で勝負するんだな」
 そう言ってフォレストはその場を去ろうと踵を返す。
「…あるいはもう二度と、絵は描けないかもしれないがな…」
 ちらりと背後にいるオーギュストを見やったフォレストは、小さく呟いてからその場を立ち去った。

 フォレストがオーギュストに会ってからは、クロードの周りにおかしなことが起こることはなかった。
 クロードは順調に絵を描きあげ、肖像画の絵師を決める当日となった。
 しかし、その場にオーギュストが現れる事はなかった。大臣が言うには、オーギュストは自分が未熟だと言い残して旅に出た、との事だった。
 結果、クロードは国王夫妻の肖像画を描く事になった。当初、彼は断ったのだが、彼の絵を見た国王が、その絵をいたく気に入り、どうしても描いて欲しいと直々に言われたため、彼は自分でよければと承諾したのだった。
「フォレストさん、ありがとうございます」
 クロードは真面目な顔でそう言った。
「いや、私は何もしてませんよ。あなたの絵が認められただけの事です。おめでとう」
 にこやかな笑顔で、フォレストはそう告げた。
「いえ、僕などまだまだです。旅に出た先生においていかれないように、これからも頑張っていくつもりです」
 曇りのない、真っ直ぐな笑顔だった。
 いつか、オーギュストにも彼の思いが伝わればいいと、フォレストはそう思った。


「とまぁ、こんな話ですよ」
 話し終えたフォレストは、自分の前に座って生真面目に聞いているティナローザに向かってそう言った。
「そんな事があったのか。しかし、私もその画家の描いた絵を見てみたいものだな」
 しみじみとそういうティナローザに、フォレストは言葉を返す。
「何を言っているんですか、姫。あなたは毎日見ているはずですよ?」
「…どういうことだ?」
 意味が理解できずに問い返すティナローザ。
「ですから、あなたのご両親の肖像画が、クロードが描いたものなんですよ」
「それは本当か、フォレスト!」
 驚いたように言うティナローザ。
「私が姫に嘘をつくわけありませんよ。姫の小さな頃の肖像画も、彼が描いたものなんですよ?」
「なるほど、そうだったのか……」
 感慨深げに、そうかそうかと頷くティナローザ。フォレストはその姿を、飽きもせずにずっと見ていた。
「…私の顔に何かついているのか?」
 フォレストの視線に気付いたティナローザは、そう問いかけた。
「いえ、私も姫を描いてみたいと思いまして」
 いきなりわけのわからない事を言い出すフォレスト。
「フォレストも絵が描けるのか?」
 意外だと言いたげにティナローザは聞いた。
「あ、いえ、そうではないのですが…」
 珍しく言葉を詰まらせるフォレスト。普段そんな事がないだけに、興味を持ったのかではどういう事なのかと詰め寄るティナローザ。
「芸術だといったら、姫の薄着が見られるかもしれないな、と思いまして…」
「ば、バカッ! 少しでも興味を持った私が浅はかだった! もう知らん!」
 憮然と叫んで、ティナローザは部屋を出て行った。
 フォレストは、バカみたいに素直で人を信じるティナローザを微笑ましいと思いながら、もう一人、ティナローザと同じように人を疑う事を知らない男の事を考えた。
 宮廷画家の誘いを蹴ってまで師に倣って絵の修行の旅に出た一人の画家の事を。
「姫と同じで、バカみたいに人を信じるあの青年は、今もどこかで絵を描いているのだろうな…」
 窓から見える青い空を眺めながら、フォレストはそう呟いた…。

■END■



・・・という訳で、風衣と相互リンクしてる夢乃瀬 海さんより頂いた小説第二弾です。
フォレストさんの若かりし? 頃のお話ですね。
というか、戦ってますよ! フォレストさんが!! すげー!(笑
私が書きたくてかけなかった事をあっさりと書いてますよコノ人。むきー!!
呪文詠唱がかっこええー!! 私は面倒くさくてショートスペルばっかりしか書いてません…orz
普通の詠唱はセンス無くて書けない…しくしく。「汝が友〜…」とか浮かばねー!
これから作中で呪文唱える事があれば遠慮なく使わせて貰います(笑/承諾済み
>「自分で言うのもなんですが、私は剣術でもそこらの自称一流戦士に負けるつもりはないですよ」
この一文。私が書きたくて書けなかった物。こういうフォレストをいつも書きたいと思いつつも書けないんですよねぇ。基本的にバトルは考えるの苦手ですし。読むのは凄く好きなんですが。
ぶっちゃけラヴいシーンしか書きたくないですもん、私(苦笑

というか、クロード良い人すぎ(笑
あまりにも良い人すぎてしれっと苛めてみたくなります(ぁ
さりげなく将来凄い人になってそうな気がする。
師匠の気持ちも解りますね〜^^; 弟子の成長は嬉しいけれど追いつかれるかもしれないという焦燥感。
こんな素敵な小説が読める夢乃瀬 海さんのサイトへはリンクからどうぞなのです♪

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